栃木県芳賀町にある芳賀天満宮は、学問の神様で有名な菅原道真公(すがわらのみちざねこう)を祀る、1233年に創立したとされる長い歴史のある神社です。
合格祈願や学業成就、就職達成、厄除開運など幅広い御利益があり、特に学業成就で知られ、受験シーズンを中心に多くの参拝者が訪れます。
さらに梅やあじさい、ロウバイなどの名所としても有名で、1年を通して四季折々の草花が境内で見ることもできます。
今回は、宮司の越口さんにお伺いしたことも交えて、芳賀天満宮についてご紹介します。
駐車場
芳賀天満宮の駐車場は、神社の北側に約50台程の広々とした駐車スペースが設けられています。
駐車場から東側に進むと見えてくるのが望郷公園。
この先を進むと芳賀天満宮の入口である鳥居が見えてきます。
芳賀天満宮は高台に位置しているため、ここからは田園風景と美しい空を一望できます。
鳥居・参道
こちらが芳賀天満宮の鳥居です。
鳥居には立派なしめ縄が掛けられていて、神聖な雰囲気が一層引き立てています。
鳥居の向かい側には、2020年に御大典記念事業として改修工事が行われた階段があります。
白御影石が使われたこの美しい階段は、80段もあるのだそう。
バスで芳賀天満宮を訪れる方は、こちらの階段を上り鳥居へ向かいます。
鳥居をくぐると、境内は豊かな自然に囲まれた穏やかな空間が広がっています。
また参道の両脇には紫陽花が植えられています。
あじさい祭りの時期には、この紫陽花に囲まれた素敵な道を歩くことができます。
※以下、あじさい祭の画像は、芳賀天満宮の越口さんにいただいたお写真です。
紫陽花通りの先には、右手に手水舎があります。
時期によっては、花手水が施されており、季節の花々が美しく水面に浮かび、参拝者の目を楽しませてくれます。
こちらは、花手水が施されている際の様子です。
※以下、花手水の画像は、芳賀天満宮の越口さんにいただいたお写真です。
手水舎の側には、竹でできた風流なアルコール噴霧器が!
境内に竹林があったので、こちらの竹を使って手作りされているのでしょう。
手水舎を過ぎると、大谷石造りの西水沼収蔵庫。
色鮮やかな緑の扉が印象的!
収蔵庫の向かい側には、お守りや御朱印がいただける札所があります。
収蔵庫の先には、社務所があり、木造の建物が趣を感じさせ、落ち着いた雰囲気が漂っています。
御神牛
その先には、芳賀天満宮の御神牛「天神様のお使い願掛け撫で牛」が鎮座します。
石碑に書かれていたことを基に、撫で牛についてご紹介します。
天神様のお使い願掛け撫で牛は、菅原道真公との深い関わりを持つ牛です。
石碑には、菅原道真公が845年6月25日の乙丑の年(干支の一つ)に生まれ、生涯を通じて牛を大切にし、903年2月25日の丑の日(十二支の丑に当たる日)にお亡くなりになったことが記されています。
このことから道真公は、その生涯を通じて牛と深く関わりを持った人物だったといえます。
また遺言として「自分の遺骸を牛に任せ、その牛が止まった場所をお墓とするように」と指示したという言い伝えも残っています。
これらの伝承に基づき、御神牛が誕生しました。
御神牛の耳元で願い事を唱え、頭を撫でることで賢くなり、身体の痛む部分を撫でると病気が治り、健康になると信じられ、古くから信仰の対象となっています。
また「梅をこよなく愛し」という一文があることから、芳賀天満宮に梅が多く植えられているのも関係があるのではないでしょうか。
拝殿
こちらが芳賀天満宮の拝殿です。
参拝の仕方がイラスト付きでわかりやすく書かれた看板が設置されているので、参拝の仕方がわからない方でも安心して参拝できます。
写真左側には、水に浮かべると文字が浮き上がる水みくじや、撫で牛のおみくじなど、各種おみくじも用意されており、訪れた人々が運試しを楽しめます。
拝殿の側面には、迫力のある大きな天狗のお面が飾られています。
また拝殿を守る狛犬の毛色が一部赤く塗られていて、こちらも珍しく目を引きました。
拝殿の前には、学業成就を願う絵馬が多く掛けられており、受験生たちの真剣な願いが感じられます。
整備が行き届いた境内は、豊かな自然に囲まれており、人々に心地よい空気感を感じさせてくれます。
神楽殿
芳賀天満宮の神楽殿では、祈年祭や秋季大祭など特別な行事の際に、西水沼太々神楽(にしみずぬまだいだいかぐら)という、伝統的な神楽が奉納されます。
この西水沼太々神楽は、芳賀町指定無形民俗文化財に指定されており、その様子は芳賀天満宮のYouTubeチャンネルでも視聴できます。
また神楽殿には、普段は大太刀が祀られています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を断ち切り、早期終息を祈願した大太刀で、約百年以上前に奉納された貴重なものだそう。
井戸
絵馬の正面には井戸があり、歴史を感じさせる佇まいが境内の一層趣深いものにしてくれています。
井戸の隣には風鈴が掛けられており、その涼やかな音が境内に響き渡り、とても心地よい雰囲気を作り出していました。
風に揺れる風鈴の音色が、参拝者の心を和ませてくれることでしょう。
境内社
芳賀天満宮には、八坂神社や稲荷神社など計12の境内社が鎮座します。
拝殿隣の上宮神社。
その他拝殿の裏手に木造と石造りの境内社がありました。
境内社の近くには、樹齢200年を超える榊(サカキ)があります。
芳賀町天然記念物に指定されており、神事やお供えに欠かせない重要な存在です。
行事
芳賀天満宮では、年始の新春特別祈願祭や初天神祭に始まり、春には天神梅まつりや勧学祭、夏にはあじさい祭や七夕まつり、秋には秋季大祭や七五三詣祈願祭、そして年末には古神札焚上祭や年越の大祓など、四季折々の神事や祭りが催され、参拝者を楽しませています。
この他にも芳賀天満宮では、多彩な行事が一年を通して行われています。
数ある行事の中でも宮司さんのおすすめは、あじさい祭。
芳賀天満宮のあじさい祭りでは、色とりどりの紫陽花が境内を彩り、毎年多くの参拝者を魅了しています。
特に注目を集めるのは、小山市にある、みつる植物研究所の藤井代表が15年かけて交配した紫陽花「白寿紅(はくじゅこう)」
どんな土壌でも白から赤へと美しく色づく珍しい特徴を持ち、訪れる人々の目を楽しませています。
また他にも、瑞樹の星空や光枝の虹といった紫陽花もおすすめだそう!
これらの紫陽花の名前は、藤井さんの家族に由来しており、光枝の虹は奥様の名前「ミツエ」から、瑞樹の星空はお孫さんの名前「ミズキ」と「ソラ」から名付けられたのだと、宮司さんに教えていただきました。
また「何度も訪れてほしい。」と語る宮司さんの言葉通り、繰り返し訪れるたびに新たな発見があり、何度でも訪れたくなる神社だと感じました。
以上、学問成就をはじめとした御利益だけでなく、四季折々の美しい自然や歴史的な文化財、伝統行事を体感できる芳賀天満宮のご紹介でした。
基本情報
住所
- 栃木県芳賀町西水沼1723
アクセス
- JR宇都宮駅から車で約30分
- 西水沼停留場から徒歩で約10分
駐車場
- あり(約50台)
電話番号
- 028-678-1138
営業時間
- 9時00分~16時30分
定休日
- なし
参考価格
- 無料
決済方法
- −
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