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大豆乃館 インタビュー

大豆乃館 インタビュー
Table of contents

大豆乃館は厳選した素材を活かした、こだわりの豆腐作りで栃木県内外から人気を集める、宇都宮市の豆腐屋さん。

そんな大豆乃館の代表であり豆腐職人でもある大谷 洋二(おおたに ようじ)さんと、奥様の陽子(ようこ)さんへのインタビューを通し、豆腐作りや店舗運営について、お話を伺いました!

このインタビューでは、大豆乃館の豆腐作りや店舗について、編集部の柄木田と井本がインタビュアーとしてお送りします。

豆腐作りについて

「有機栽培や在来種の国産大豆、天然のにがりを使用し、消泡剤は無添加」なのが、大豆乃館が作る豆腐の特徴。

ここではそんな大豆乃館の豆腐作りについて、次の切り口でインタビューさせて頂きました。

  • 美味しい豆腐の秘訣
  • 製造で意識していること
  • 豆腐作りで大変なこと
  • 販売価格について

美味しい豆腐の秘訣

柄木田:

大豆乃館さんの商品に出会い「豆腐の既成概念を覆される美味しさ」に驚きました。

そこでいきなり漠然とした質問で申し訳ないのですが、なにが1番の美味しさの決め手になりますか?

 

大谷さん:

やっぱり原料の大豆かな。

大豆乃館 代表 豆腐職人 大谷 洋二さん

柄木田:

原材料が大豆・水・にがりとシンプルなだけに、他の豆腐との違いを出すのが難しいのでは?

と素人目に思ったのですが、原材料以外にもこだわっているところや違いはありますか?

 

大谷さん:

うちが使う機械は手作りに近いというか、大量生産はできなくて。

その代わり、豆腐をじっくり作れるんです。例えば昔ながらの味噌蔵で作る味噌なんかみたいにね。

創業当時から何百年も続いているとか、そういう類いのものなのかもしれないですね。

 

柄木田:

自分が食べている味噌も、個人の味噌製造業者さんに出して作ってもらっています。

それだとやっぱり市販の味噌とは違うので、そういうところなのかもしれないですかね。

 

大谷さん:

そうですねー。うちの豆腐ってギリギリまで濃く作るんです。

「もうこれ以上濃くしたらにがりが混ざらない!」ってぐらい濃いめ。

昔1回ホテルとの取引があって、豆腐をたくさん作るようになった時期があったんですけど、豆腐100丁作るのに、150丁ぐらい作らないと壊れてしまったり豆腐の形がきれいにできないんです。

お店の分も作るとなると、相当な数になって。

「きちんと四角い豆腐を作る」という方にばかりフォーカスしちゃって。

そうすると濃さが出せなかったりしてきて…。

豆腐って薄く作った方が、固まりやすく、きれいに整形しやすくて簡単なんです。

見た目の方にフォーカスしちゃうから、良いお豆腐がなくなっちゃってね。

大豆乃館 豆腐作り

柄木田:

やはり美味しい豆腐を作るには、大量生産は難しいんですね。

そうすると豆腐作りの秘訣は、素材の配合が決め手になってくるんですかね。

ミリ単位というか。わずかな差で、完成品に差が出てきてしまうのでしょうか?

 

大谷さん:

そう、なんかね。線があって、ギリギリまで濃くしていくんですけど。

それ以上になっちゃうと、今度はエグ味とか他も濃くなってしまって。

ちょうどターニングポイントみたいなのがあるんですよね。

 

柄木田:

それを見極めるのは、感覚ですか?

大豆乃館 大谷 洋二さん インタビュアー 柄木田裕哉

大谷さん:

うーん、そう。そんな時もある。

大豆によっても違ってくるんで、品種が同じでも。

だから難しいんですよね。豆を水に浸ける時間とか。

 

柄木田:

それは季節とか湿度によっても変わってきますか?

 

大谷さん:

そうそう。

製造で意識していること

大豆乃館 豆腐製造の様子

柄木田:

先日奥様から頂いた冊子に、製造に際して「自分の気持ちを整えることが重要」といった趣旨のこと書かれていました。このように製造に際して意識していることはありますか?

 

大谷さん:

7年間ぐらいずっと水温・気温・室温や、大豆を何時間ぐらい水に浸けたとか、さまざまなデータを取りながら豆腐を作っているんだけど、年に4回ぐらい全然できない時があるんです。

豆腐がドロドロになっちゃったり、にがりが混ざらなかったり、いつもと同じ条件でやってるのに。

それを窯のせいにしたり、大豆を水に浸けている時間のせいにしたりとか色々思ってて。

で、色々改善してみるんだけど、どうしても良い豆腐ができないんです。

ある日「自分に原因があるんじゃないか?」って考えたことがあって。

「人のせいにしない」ってことですよね。

人や物のせいにしないで「まずは自分を整えるっていう風にしたらどうだろう?」って気づいて。

それから瞑想みたいなことをちょっとやるようにしたら、今度は豆腐が全然壊れなくなりましたよ。

大豆乃館 大谷 洋二さん インタビュアー 柄木田裕哉

柄木田:

自分に焦点を当てることが、大切なんですね。

 

大谷さん:

いろんな物のせいにしたりして、あたふた、あたふたしてたんでしょうね。

それを「きちんと自分の足元を見る。」そうすることで安定しましたよ。

だから同じレシピでうちのスタッフに作らせても、みんなやっぱり味が違います。

油揚げなんかを揚げるのも僕は「この油揚げ、今日は誰があげたのかな」ってわかります。

大豆乃館 油揚げ 商品写真

柄木田・井本:

えーすごい!!

 

柄木田:

それは見た目が違うってことですか?

 

大谷さん:

そうそう、なんか癖があるんですよね(笑)

時間のかけ方とか揚げるタイミングとかって人それぞれ違うから、作り方を統一するのがすごく難しくて。

「ここまで膨らんだら高温に移す」とか目安を教えるんですけど、微妙な揚げ加減がすごく難しい。

僕が自分で揚げる時なんかは、ふわっと柔らかいのが好きだから、ちょっと揚げ足りないぐらいにするんですけど、しっかりカチッと揚げる人もいる(笑)

僕からすると「そこのちょっと手前ぐらいで揚げたらいいな」とか「そこまでしちゃうと固くなっちゃうかな」と思うこともあるけど、きっとその人はそもそも固めが好きなのかも(笑)

 

井本:

手作業ならではですね!

日によって「色々な油揚げがいただける」というのもファンからすると嬉しいです!

 

大谷さん:

そうそう。絞り具合とかそういうのもやっぱり変わってくるんですよ。

だから油揚げの厚さが、ちょっとバラバラだったりするんです。

 

柄木田:

それもまた機械だけで作るのとは違った良さなのかもしれないですね。

いい意味で手作りならではの味があるというか。

 

大谷さん:

でも、みんなそのバラつきを、俺のせいにするんだよ!(笑)

大谷さん・柄木田・井本:(笑)(笑)(笑)!

大谷 洋二さん  柄木田裕哉 笑顔

大谷さん:

人のせいにしない!ってさっき話したけどね(笑)

うちは人のせいにしない!(笑)

 

柄木田:

とても和気あいあいとした素敵な職場環境なんですね!

大豆乃館 大谷 洋二さん  柄木田裕哉 質問の様子

大谷さん:

そうそう。やっぱりお店に入ってきた時に、お客さんが体で感じるじゃないですか。

そういうのってすごく大切で、それがスタッフの人たちの笑顔だったり。

だから商品だけでなく、やっぱりそういうところも必要ですよね。

僕なんかも、もう忙しいと顔に出そうになるけど、それを出さないでニコニコしながらやってます。

 

柄木田:

お店の雰囲気もすごく大切にされてるんですね。

 

大谷さん:

そうそうそう!

そうするとスタッフの人たちも長く働いてくださいますよね。

豆腐作りで大変なこと

井本:

今回、製造・調理スペースを見せていただいて、お豆腐作りって大変な作業が多いなと思ったのですが、その中でも1番大変なことってなんですか?

 

大谷さん:

掃除が大変!(即答)

豆腐を作っているよりも時間がすごく長く感じる(笑)

大豆乃館 大谷 洋二さん  笑顔

井本:

(笑)食品を扱うので、衛生面は特に気を使いますよね。

 

大谷さん:

そうそう。2時間かけて磨いています。

 

井本:

2時間!

そのお掃除もスタッフの皆さんと一緒にやっているのですか?

 

大谷さん:

そうですね。手伝ってもらったり、でも大体僕が1人でやるかな。

なんかね、触られたくないとことかあって(笑)

 

柄木田:

あー自分もあります、そういうの(笑)

 

井本:

職人さんのこだわりですね!

 

大谷さん:

そうだね(笑)

販売価格について

井本:

「食べ物の大切さを伝えたい」という理由から、有機栽培の食材や無添加にこだわった豆腐作りをされているとのことですが、素材や製造法を考えると、もっと高くてもいいのかな?とも感じました。

今のお値段での販売は「沢山の人に食べてもらいたい」という想いがあってなのでしょうか?

 

大谷さん:

そうですね、自分が例えばお客さんだったらっていうところで。

あと自分で作って、自分で値段をつけるってすごく難しい。

僕は「そんなに高くしなくていいんじゃないの?」って言うけど、スタッフは「もっと高くしたい!」って言われたり。

大豆乃館 大谷 洋二さん  販売価格に関する質問の様子

井本:

本当にもっと高くていいと思います!

 

柄木田:

スタッフの方がそう言える事業って素晴らしいですよね。

大豆乃館の豆腐にスタッフが誇りをもっているからこその裏返しですよね。

大豆乃館 店内看板 えがおは最大のサービスである

豆腐作りに関する編集部のまとめ

原料の大豆、そしてじっくりと時間をかけて作ることが、美味しさに繋がっていると教えてくださった大谷さん。

そう語る背景には、過去の取引で思うような濃さが出せなかった経験があり、それが試行錯誤の末、美味しい豆腐作りに活かされているのかもしれない。

また「人や物のせいにせず、自分の足元をみること。」が大切だと言う大谷さんの目には、スタッフの誰が作った油揚げなのかまで、わかってしまう時があるそう。

それ故にバラツキを指摘すると「(バラツキを)俺のせいにするんだよ!(笑)」と、スタッフとのエピソードを冗談混じりに笑顔で語る。

そんな大谷さんが作る豆腐は、今日も食卓に笑顔を届けているはず。店内に置かれた色紙の言葉と同じように。

大谷 洋二さん・陽子さんのこと

大豆乃館の代表であり、豆腐職人でもある大谷 洋二(おおたに ようじ)さん。

大谷さんの豆腐づくりを支え、いつも店頭で明るく出迎えてくださる奥様の陽子(ようこ)さん。

ここではそんなお二人に、次の切り口でインタビューさせて頂きました。

  • 豆腐作りのきっかけ
  • 良い原材料と出会うために
  • おすすめの食べ方
  • 【番外編】奥様の美肌・キレイの秘訣に迫る

豆腐作りのきっかけ

柄木田:

大谷さんは栃木にUターンしたと伺いました。

最近、都市部から地元に戻るっていう流れが、以前より活発になってきてるのかなと思います。

自分も東京に出て、また地元に戻ってきたUターン組なんですけど、東京から栃木に戻ってくるきっかけは何かあったんですか?

 

大谷さん:

親がね。商売してたんです。

会社をやってて、それを継がなくちゃなんないんで、それで戻ってきたんですけど、会社が倒産してしまって。

それで似たようなことをずっとやってたんですけど、「大谷君のところでしか手に入らないものはないのか?」って、よく取引先に言われて。

そうすると、自分で作るしかないかなって。その時にここが居抜きで募集してたんで。

うちの女房も、あんたと仕事すると、ろくなことないって、ずっと手伝ってもらえなくて、1人でやってたんです。

手伝ってくれるようになったのは、最近というか。ここ2、3年かな。

 

井本:

え!もうずっとお店に立たれているのかなと思ってました!

大谷 洋二さん  柄木田裕哉 豆腐作りのきっかけについて

柄木田:

2003年から2012年の間に毎年500件ほどの豆腐屋さんが廃業しているという調査データを見たのですが、2014年の創業当時、ご存知でしたか?

 

大谷さん:

自分が始めた時は知らなかった。ただやってるうちに色々話は聞いて(笑)

 

柄木田:

もしご存知だったら、その時に不安とかあったのかなとか。

自分がもしその立場だったら、周りがそうだと自分も難しいんじゃないか?と思っちゃいそうだなって。

 

大谷さん:

もうなーんにも考えてないです。アハハハ(笑)

ハードル低いっすから僕、始める時は(笑)

 

柄木田:(笑)すごいメンタル…。

良い原材料と出会うために

柄木田:

豆腐の素材にこだわるほど、素材探しは大変だと思うのですが、どのように良い素材を探し出すのですか?

 

大谷さん:

40歳ぐらいの時に、人に何かを与えるような仕事をしたいって思って豆腐屋になったんです。

それからどんどん自分が成長していくと、すごくストイックな人たちや、その業界でも重鎮って言われるような人たちと関われるようになって。

そうすると農家さんが「この大豆を使ってくれ!」って大豆を持ってきてくれるのよ。

その中に良い大豆があって、そこから良い豆腐を作るっていう。

大豆乃館 木綿豆腐

柄木田:

自分の成長につれて、いい循環ができるような。

 

大谷さん:

そうそう!

もうほんとに。まず自分が変わらないとダメですね。

おすすめの食べ方

大豆乃館 取材・インタビュー編

井本:

お二人がおすすめする食べ方を教えてください!

 

大谷さん:

一味揚げとか揚げ物を焼いて、ビールと食べるのがすごく美味しいですよ!

大豆乃館 油揚げ 一味揚げ

井本:

あー!たまらないですね!

大豆乃館の商品はシンプルに食べるのが美味しいですよね!

陽子さんのおすすめ商品はなんですか?

 

陽子さん:

私は冬限定の焼き豆腐!

銅板で4面しっかり焼いてます。

銅板で焼いてる豆腐屋さんは、全国探してもおそらくないかな。

うちは半分にお豆腐を切って、4面しっかり焼いてるので。

おすすめの食べ方は、うちのお客様の真似して、冷たいままでいただきます。

うちのお客様は通なので!

焼き豆腐っていうのは、すき焼きとか、お鍋とか、なんかそういう印象がありますよね。

そうではなくて冷たいままで、お野菜と一緒にとか、お醤油とか塩だけでいただきます。

大豆乃館 焼きとうふ

井本:

珍しい食べ方ですが美味しそうですね!

私も冬のうちに焼き豆腐を買って試してみます!

美味しいといえば、先ほど試食させていただいた際の百寿ってお醤油も美味しかったなー!

 

陽子さん:

あ!百寿」。濃くて美味しいです。

あれ1本あったら、ちょこっとかけるだけでいいから、かなり持ちますね。

 

編集部メモ

陽子さんが教えてくださった豆腐レシピ!

うす生揚げ 大豆乃館

うす生揚げ(写真左)と小松菜にめんつゆを、少しかけるだけ!

簡単すぎる(笑)

 

この日は、にんじんが余っていたのでそれも追加して作ってみました。

うす生揚げ 小松菜 にんじん

ということで「大豆乃館」スペシャルディナー

  • 一味揚げ
  • うす生揚げと小松菜の煮浸し
  • 有機栽培大豆の寄せ豆腐

あとは常備菜を適当に。

大豆乃館 スペシャルディナー

大豆乃館の商品は、味や旨みがしっかりしているので、少し塩気をつけるぐらいで良いので調理がとーっても楽です(笑)

基本そのままいただけるので失敗がなく、私のように料理が苦手な方にもおすすめです(笑)

【番外編】奥様の美肌・キレイの秘訣に迫る

井本:

すみません…かなり個人的な質問なんですけど…。

陽子さんのキレイの秘訣を教えてください!!!(必死)

 

陽子さん:

とんでもないとんでもない。

強いて言えば、湿度!

うちのスタッフさんもみんなキレイだし、60過ぎてても!

大豆乃館 陽子さん

大谷さん:

僕も59ですからね(笑)

井本・柄木田:えっ!?

 

井本:

見えないー!全然見えないっ!

お肌のきれいさだけでなく、すごいハツラツとしているというか、凛としててお綺麗だと思って!

普段気を付けてることとか、スキンケアとか、なんかあるのかなって。

実は、初めて大豆乃館に来た時からずっと気になっていて(笑)

 

陽子さん:

お顔の方は、クリームとかは使わないですね!

化粧水だけとか、あとはクレンジングして石鹸で顔洗ってます。

そのぐらいで余計なことはしない。

うちのお豆腐と一緒ですよ!余計なことはしない(笑)

 

井本:

スキンケアもお豆腐もシンプルが1番!ということですね!

 

陽子さん:

そうそう(笑)

ありがとうございます。お褒めいただいて。

 

井本:

こちらこそありがとうございます!勉強になります!

今日はそれを絶対聞きたくて来ました(笑)

きれいの秘訣は「湿度に気をつけて余計なことはしない!」ってことなんですかね!

 

編集部メモ

こちらは製造・調理スペースの写真なのですが、水蒸気で真っ白なんです!

かなりの湿度の中、作業されているのが写真でもお分かりいただけると思います。

大豆乃館 製造・調理スペース

湿度だけでなく、この蒸気の源が厳選された大豆だということが美の秘訣なのでは!?

豆乳を使った化粧品があるぐらいですし!

大豆乃館 豆乳

というと大豆乃館の皆さんは常日頃、厳選された国産大豆から作る豆乳化粧水を纏いながら仕事をしているのでは!?

なんとうらやましい!!!

大谷 洋二さん・陽子さんに関する編集部のまとめ

年500件もの豆腐屋が廃業していると知っても、特に動じることはなかったという大谷さん。

また手伝ってくれるようになったのは比較的最近だと、いつも店頭で明るく出迎えてくださる陽子さんについても語ってくれた。

当時を振り返って笑う一方、「まず自分が変わること」の大切さを真剣な眼差しで語る面も持ち合わせる大谷さん。

そんな大谷さんには自分の成長につれて生産者の方から、声がかかるようになった経験があるという。

自分たちもまた、そんな求心力のある大谷さんに惹きつけられた、1人だったのかもしれない。

店舗運営について

地元宇都宮市をはじめ、県外から多くの方が訪れる大豆乃館は、本店に加え、LOTUS 3(ロータススリー)とTOFU DELI MIWA(トウフデリミワ)といった店舗も運営されています。

ここではそんな大豆乃館の店舗運営について、次の切り口で取材・インタビューさせて頂きました。

  • 接客で意識していること
  • おすすめの来店時間
  • 自社配送とお得意先
  • LOTUS 3とTOFU DELI MIWAについて

接客で意識していること

柄木田:

大豆乃館に初めて来たとき、奥様やスタッフの方が商品を魅力的に伝えてくださったのが印象的でした。接客に関して意識していることはありますか?

 

大谷さん:

きっとうちのスタッフは、商品に自信を持っているからかな。

スタッフ自身が帰りに買っていってくれたり、誰かにプレゼントして喜ばれたりしているので、それが接客に活かされているのではないかな。

やっぱりお客さんに喜んでもらえると、本人たちも嬉しいから。

接客で意識していること 大谷 洋二さん

柄木田:

スタッフの方がそう思える商品作りって素敵ですね。

自分も両親に大豆乃館の豆腐を買って行って、勝手に自信を持って渡しました。(笑)

「美味しかった!」って喜んでくれて、なんだか自分も嬉しかったので、そういうことなのかもしれないですね。

 

井本:

良い物を見つけると、誰かに教えたくなりますよね!

おすすめ来店時間

井本:

生産数の少ない商品は早い者勝ちだと思うのですが、あれもこれも買える!そんなおすすめ来店時間があれば教えてください。

おすすめ来店時間 大豆乃館

陽子さん:

出来立てが上がるのが大体11時半で、店内に陳列されるのが12時半ぐらい。

なので12時半から1時半ぐらいだと、割となんでも手に入るかなと思います。

限定の有機栽培大豆の寄せ豆腐は、もう今日は1つしかないです。(15時時点)

 

井本:

やはり人気の商品は、有機栽培の商品ですか?

 

陽子さん:

そうですね。

有機を狙っていらっしゃるお客様が多いです。

通常のお豆腐もとにかく美味しいんですけどね。

 

井本:

あ、先ほど今日のランチ用に通常の木綿豆腐を買って、少し温めて食べたんですが、これもとっても美味しかったです!

甘くて、一般的な木綿豆腐とは違って柔らかくて!

 

陽子さん:

そう、あれも美味しい!国産の豆でね。

今日の寄せ豆腐は有機栽培と在来品種の2種類あるので、お豆腐だけでも3種類ぐらい食べ比べます!って買ってくださる方もいらっしゃいます。

 

井本:

それもこの品揃えのおかげでできることですね!

美味しい商品ばかりで、いつも何を買おうか迷ってしまいます(笑)

 

大谷さん:

でもなんかね「美味しく作るぞー!」って思っちゃうとだめなんです。

 

陽子さん:

品評会の時とかそうでしたね(笑)

賞状 金賞 大豆乃館株式会社

大谷さん:

気合い入れるより、割と淡々と作っていた方が美味しく作れるんですよ。

 

陽子さん:

絹豆腐に空(くう)という名前のお豆腐があるんだけど、この「空」の気持ちで社長が作った時のお豆腐は、めっちゃ美味しいと思います!!

 

大谷さん:

お客さんに「お前、空ってわかって付けてんのか(笑)」って言われて(笑)

「うちに来い!」って、説教されたこともあります(笑)

 

井本:

そんなにこう、気持ちが味に出ちゃうものなんですね(笑)

 

大谷さん:

そう、シンクロしてる。

 

井本:

嘘つけないんですね!

 

陽子さん:

そう!「嘘をつかない豆腐」

自社の配送とお得意先

柄木田:

自社で豆腐の配送も行っていると伺ったのですが、お届け先は飲食店が多いですか?

 

大谷さん:

居酒屋、おでん屋さんなんかに届けてる!

うちの豆腐を使うってことは、「大体肉より高い」なんて怒られることもある(笑)

だからよっぽど素材にこだわりを持ってるところじゃないと、使わないよね。

なのでうちの豆腐を使ってるところは、逆にすごいなって。

決して安くないしね。

「味付けしちゃったら変わんないんじゃない。」っていうオーナーさんもいるけど、それでも使ってくださってるっていうのはね。

 

柄木田:

自分ももし飲食店をやっていたら、できるだけ材料費は抑えようって思うので、それでもってことは、やっぱりそれだけ美味しさや品質に惹かれてるってことですよね!

自社配送とお得意先についての質問

大谷さん:

そうなんですかね(照)

LOTUS 3とTOFU DELI MIWAについて

井本:

大豆乃館の他に、LOTUS 3とTOFU DELI MIWAを運営されていて、豆腐を使ったスイーツやお惣菜を販売されていると伺いました。

商品開発の裏話などあれば教えてください!

 

大谷さん:

実は、いろんな豆腐を作りたがった時期があるんですよ(笑)

いろんなものを混ぜてみたり、厚揚げにチョコレートコーティングしたり。

それエクレアみたいな味になるんですけど(笑)

 

井本:えー!美味しそー!!!

 

大谷さん:でもそしたらエクレアでいいじゃん!ってなって(笑)

 

大谷さん・柄木田・井本:(笑)(笑)(笑)

LOTUS 3とTOFU DELI MIWAについての質問

井本:

個人的にはエクレアの商品化を希望します!(笑)

この2店舗の店名の由来ってなにかあるんですか?

 

大谷さん:

まずLOTUS 3は、お店をオープンさせる前、たまたま蓮(英語:ロータス)を見に行ってたんです。

蓮って泥の中からきれいな花を咲かせるでしょ?

それがいいなと思ってロータス(LOTUS)って名前にしました。

ある人にその話をしたら「じゃあ3をつけて”蓮の実”にしたら?」って言われて。

古代蓮っていう相当昔の蓮を掘り返して、その花がちゃんと咲いたっていう話もあってLOTUS 3にしました。

 

柄木田:

岩手県にある中尊寺金色堂から800年前の蓮の種が見つかって、それを開花させたっていう話ですか?

 

大谷さん:

そう!そこから取ったんだよ!

僕の場合は埼玉の蓮なんだけど、今は蓮園みたくなってて。

あと豆腐って神事とか仏教に近い感じがするので、蓮にしました。

でミワ(TOFU DELI MIWA)は、二荒山神社を調べたら、大己貴命(おおなむちのみこと)を祀っていて、その人がいるところが奈良県の三輪神社!

で、そこに三ツ鳥居って鳥居があって、それを元にミワ(TOFU DELI MIWA)に。

 

井本:

深い!どちらも素敵な名前の由来ですね。

ありがとうございます!

まだまだお伺いしたい話はたくさんあるのですが、長くなってしまったのでまた近々お邪魔いたします。

大谷さん、陽子さん、本日は貴重なお話をたくさん聞かせて頂き、本当にありがとうございました!

 

素敵なお二人のツーショット。

大豆乃館 陽子さん 大谷 洋二さん

取材を終えて

厳選した素材と素材由来の味や香りを活かした、こだわりの豆腐作りを続ける大豆乃館の代表であり、豆腐職人の大谷 洋二さん。

多くの人を惹きつける大谷さんの豆腐作りを支え、店頭でいつも明るく出迎えてくれ、丁寧に商品を説明してださる、奥様の陽子さん。

そんなお二人やスタッフの方々が作る豆腐を求めて、地元宇都宮をはじめ県外から訪れる方まで、多くのファンが訪れる。

取材をさせて頂いた自分たちもまた、大豆乃館、大谷さんご夫婦に惹かれた1人。

今回の取材を通して美味しく、そして優しい大豆乃館が作る豆腐の所以を垣間見ることができた気がします。

特に「(人やもののせいにせず)きちんを自分の足元を見ること。」「まず自分が変わること。」と語る大谷さんの姿は印象的でした。

この言葉には、どれほどの試行錯誤があり、どれだけ真剣に豆腐に向き合って来たのか。そんな大谷さんの豆腐作りに対する、真摯な姿勢が現れているように思います。

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