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原料と製法から迫るこだわりの豆腐作り/大豆乃館 インタビュー Vol.1

大豆乃館 木綿豆腐
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大豆乃館は厳選した素材を活かした、こだわりの豆腐作りで栃木県内外から人気を集める、宇都宮市の豆腐店。

そんな大豆乃館の代表であり豆腐職人でもある大谷 洋二(おおたに ようじ)さんと、奥様の陽子(ようこ)さんへのインタビューを通し、豆腐作りや店舗運営について、お話を伺いました!

このインタビューでは、大豆乃館の豆腐作りや店舗、接客について、3記事に渡ってご紹介します。

インタビュアーは、47BASE編集部の柄木田と井本がお送りします。

※当記事は大豆乃館 3号店「大谷豆腐店」のオープンに伴い、2024年3月に公開した記事を再編集の上、公開しています。

大豆乃館の豆腐作り

「有機栽培や在来種の国産大豆、天然のにがりを使用し、消泡剤は無添加」

これが大豆乃館が作る豆腐の特徴。

ここではそんな大豆乃館の豆腐作りについて、次の切り口でインタビューさせて頂きました。

  • 美味しい豆腐作りの秘訣
  • 製造で意識していること
  • 豆腐作りで大変なこと
  • 販売価格について

美味しい豆腐作りの秘訣

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

大豆乃館さんの商品に出会い「豆腐の既成概念を覆される美味しさ」に驚きました。

そこでいきなり漠然とした質問で申し訳ないのですが、なにが美味しさの決め手になりますか?

うーん。

やっぱり一番は原料の大豆かな。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

大豆乃館 代表 豆腐職人 大谷 洋二さん
47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

「原材料が大豆・水・にがりとシンプルなだけに、他の豆腐との違いを出すのが難しいのでは?」と素人目に思ったのですが、原材料以外にもこだわっているところや違いはありますか?

うちが使う機械は手作りに近いというか、大量生産はできなくて。

その代わり、豆腐をじっくり作れるんです。

例えば昔ながらの味噌蔵で作る味噌なんかみたいにね。

創業当時から何百年も続いているとか、そういう類いのものなのかもしれないですね。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

自分が食べている味噌も、個人の味噌製造業者さんに出して作ってもらっています。

それだとやっぱり市販の味噌とは違うので、そういうところなのかもしれないですかね。

そうですね。うちの豆腐ってギリギリまで濃く作るんです。

「もうこれ以上濃くしたらにがりが混ざらない!」ってぐらい濃いめ。

以前、ホテルとの取引があって、豆腐をたくさん作るようになった時期があったんですけど、豆腐100丁作るのに150丁ぐらい作らないと壊れてしまったり豆腐の形がきれいにできないんです。

お店の分も作るとなると、相当な数になって。

「きちんと四角い豆腐を作る」という方にばかりフォーカスしちゃって。

そうすると濃さが出せなかったりしてきて…。

豆腐って薄く作った方が、固まりやすく、きれいに整形しやすくて簡単なんです。

見た目の方にフォーカスしちゃうから、良いお豆腐がなくなっちゃってね。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

大豆乃館 豆腐作り
47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

やはり美味しい豆腐を作るには、大量生産は難しいんですね。

そうすると豆腐作りの秘訣は、素材の配合が決め手になってくるんですかね。

ミリ単位というか。わずかな差で、完成品に差が出てきてしまうのでしょうか?

そう、なんかね。

線があって、ギリギリまで濃くしていくんですけど。

それ以上になっちゃうと、今度はエグ味とか他も濃くなってしまって。

ちょうどターニングポイントみたいなのがあるんですよね。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

それを見極めるのは、感覚ですか?

大豆乃館 大谷 洋二さん インタビュアー

うーん、そう。そんな時もある。

大豆によっても違ってくるんで、品種が同じでも。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

それは季節とか湿度によっても変わってきますか?

そうそう。

だから難しいんですよね。豆を水に浸ける時間とか。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

製造で意識していること

大豆乃館 豆腐製造の様子
47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

先日、奥様から頂いた冊子に、製造に際して「自分の気持ちを整えることが重要」といった趣旨のこと書かれていました。

このように製造に際して意識していることはありますか?

7年間ぐらいずっと水温・気温・室温や、大豆を何時間ぐらい水に浸けたとか、さまざまなデータを取りながら豆腐を作っているんだけど、年に4回ぐらい全然できない時があるんです。

豆腐がドロドロになっちゃったり、にがりが混ざらなかったり、いつもと同じ条件でやってるのに。

それを窯のせいにしたり、大豆を水に浸けている時間のせいにしたりとか色々思ってて。

で、色々改善してみるんだけど、どうしても良い豆腐ができないんです。

ある日「自分に原因があるんじゃないか?」って考えたことがあって。

「人のせいにしない」ってことですよね。

人や物のせいにしないで「まずは自分を整えるっていう風にしたらどうだろう?」って気づいて。

それから瞑想みたいなことをちょっとやるようにしたら、今度は豆腐が全然壊れなくなりましたよ。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

大豆乃館 大谷 洋二さん インタビュアー 柄木田裕哉
47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

自分に焦点を当てることが、大切なんですね。

いろんな物のせいにしたりして、あたふた、あたふたしてたんでしょうね。

それを「きちんと自分の足元を見る。」そうすることで安定しましたよ。

だから同じレシピでうちのスタッフに作らせても、みんなやっぱり味が違います。

油揚げなんかを揚げるのも僕は「この油揚げ、今日は誰があげたのかな」ってわかります。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

大豆乃館 油揚げ 商品写真
47BASE 井本

井本

えー!!

すごい!!

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

それは作る人によって、見た目が違うってことなんですか?

そうそう、なんか癖があるんですよね(笑)

時間のかけ方とか揚げるタイミングとかって人それぞれで、どうしても若干違うから、作り方を統一するのがすごく難しくて。

「ここまで膨らんだら高温に移す」とか目安を教えるんですけど、微妙な揚げ加減がすごく難しい。

僕が自分で揚げる時なんかは、ふわっと柔らかいのが好きだから、ちょっと揚げ足りないぐらいにするんですけど、しっかりカチッと揚げる人もいる(笑)

僕からすると「そこのちょっと手前ぐらいで揚げたらいいな」とか「そこまでしちゃうと固くなっちゃうかな」と思うこともあるけど、きっとその人はそもそも固めが好きなのかも(笑)

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 井本

井本

手作業ならではですね!

日によって「色々な油揚げがいただける」というのも、大豆乃館ファンの私からすると嬉しいです!

そうそう。絞り具合とかそういうのもやっぱり変わってくるんですよ!

だから油揚げの厚さが、ちょっとバラバラだったりするんです。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

それもまた機械だけで作るのとは違った良さなのかもしれないですね!

いい意味で手作りならではの味があるというか。

でも、みんなそのバラつきを、俺のせいにするんだよ!(笑)

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

47BASE 井本

井本

(笑)(笑)(笑)!

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

大谷 洋二さん  柄木田裕哉 笑顔

「人のせいにしない!」ってさっき話したけどね(笑)

うちは人のせいにしない!(笑)

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

とても和気あいあいとした、素敵な職場環境なんですね!

そうそう。やっぱりお店に入ってきた時に、お客さんが体で感じるじゃないですか。

そういうのってすごく大切で、それがスタッフの人たちの笑顔だったり。

だから商品だけでなく、やっぱりそういうところも必要ですよね。

僕なんかも、もう忙しいと顔に出そうになるけど、それを出さないでニコニコしながらやってます。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

お店の雰囲気もすごく大切にされてるんですね。

そうそう!

そうするとスタッフの人たちも長く働いてくださいますよね。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

豆腐作りで大変なこと

47BASE 井本

井本

今回、製造・調理スペースを見せていただいて、お豆腐作りって大変な作業が多いなと思ったのですが、その中でも1番大変なことってなんですか?

掃除が大変!(即答)

豆腐を作っているよりも時間がすごく長く感じる(笑)

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

大豆乃館 大谷 洋二さん  笑顔
47BASE 井本

井本

(笑)

食品を扱うお仕事なので、衛生面は特に気を使いますよね。

そうそう。

2時間かけて磨いています。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 井本

井本

2時間!

そのお掃除もスタッフの皆さんと一緒にやっているのですか?

そうですね。手伝ってもらったり、でも大体僕が1人でやるかな。

なんかね、触られたくないとことかあって(笑)

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

47BASE 井本

井本

職人さんのこだわりですね!

そんな感じだね(笑)

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

販売価格について

47BASE 井本

井本

「食べ物の大切さを伝えたい」という理由から、有機栽培の食材や無添加にこだわった豆腐作りをされているとのことですが、素材や製造法を考えると、もっと高くてもいいのかな?とも感じました。

今のお値段での販売は「沢山の人に食べてもらいたい」という想いがあってなのでしょうか?

そうですね、自分が例えばお客さんだったらっていうところで。

あと自分で作って、自分で値段をつけるってすごく難しい。

僕は「そんなに高くしなくていいんじゃないの?」って言うけど、スタッフは「もっと高くしたい!」って言われたり。

大豆乃館 大谷 洋二

大谷さん

大豆乃館 大谷 洋二さん  販売価格に関する質問の様子
47BASE 井本

井本

本当にもっと高くていいと思います!

47BASE 柄木田裕哉 株式会社Curiver

柄木田

スタッフの方がそう言える事業って素晴らしいですよね。

大豆乃館の豆腐にスタッフさんが誇りをもっているからこその裏返しですよね。

大豆乃館 店内看板 えがおは最大のサービスである

編集部録

原料の大豆、そしてじっくりと時間をかけて作ることが、美味しさに繋がっていると教えてくださった大谷さん。

そう語る背景には、過去の取引で思うような濃さが出せなかった経験があり、それが試行錯誤の末、美味しい豆腐作りに活かされているのかもしれない。

また「人や物のせいにせず、自分の足元をみること。」が大切だと言う大谷さんの目には、スタッフの誰が作った油揚げなのかまで、わかってしまう時があるそう。

それ故にバラツキを指摘すると「(バラツキを)俺のせいにするんだよ!(笑)」と、スタッフとのエピソードを冗談混じりに笑顔で語る。

そんな大谷さんが作る豆腐は、今日も食卓に笑顔を届けているはず。店内に置かれた色紙の言葉と同じように。

ブランドムービー

出演:大谷洋二さん・大谷陽子さん@大豆乃館

企画・撮影・編集:47BASE@株式会社Curiver

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